中小企業のシステム構築は難儀。

《情報システム》中小企業のシステム構築は難儀する。

中小企業のシステム開発は難儀する。

システムの導入を単に利便性の向上に求めてしまうために、現場のやり方そのものをシステムに無理やり移植しようとする。現場はシステム導入による手順の変化に頑強に抵抗する。人間慣れと熟練という機能がありいかに便利であろうとも慣れ親しんだ仕組み以外には積極的に取り組もうとはしない。

販売管理システム、生産管理システムは現場の不合理な逸脱を認めることが出来ない。デジタル処理されるものであるからあいまいな判断は許容できない。そこに現場とのかい離が発生し抵抗力となる。うわべだけは納得したように見えても現場に行くと執拗に旧手法の仕組みを残そうとしている場面に出くわす。

そういう場合は説得して納得させて、その資材や作業道具、記録用紙を取り上げることまでしないとシステム化は難しい。あくまでも手書きしようとすればそのペンは力ずくでもおらねばならない。

理解が進まないままに導入すると、管理すべきデータが適切に収集できないようになる。

例として挙げるなら包装資材や原料の変更を安易に行ってはいけない。それはそのまま製品原価に影響を与え場合によってはコスト増になる。変更する場合は常に見積原価計算を見直し、コスト増は抑制しなくてはならない。すべての変更はシステム登録に変更を伴うことを意識していただきたい。

システム管理は財務や営業の粗利管理に直結していることを理解させなくてはならない。

変更したことをシステムに登録しなければデータとして反映されない。現場にいうべきことは 、変更の結果は当然ながら財務に影響を与えることをご理解いただきたいということである。

システムを導入する前の状態はまさに属人的な情報構造である。

その情報をどこにどのように落とし込むか、どこと共有すべきか、ここを幹部社員に完全に理解させなくてはならない。、システム的な整合性を意識していれば誤りは防げる。

結論的に申し上げるならば、幹部たるものまずシステムありきでなくてはならない。

中小企業と言えども昨今では企業規模からも扱う物量から情報は、システムに集約し管理する以外に方法はない。不整合を指摘される前に徹底的な意識変革をお願いしたい。

タテヨコ質問は問題解決の第一歩

《総務》タテヨコ質問は問題解決の第一歩。

問題解決の技法として「タテの質問」で掘り下げ、「ヨコの質問」で全体像をあぶり出す方法がある。

本当の原因「真因」を発見するにはトヨタの大野耐一氏の 「なぜなぜ5回分析」が有名である。

 

タテの質問をなぜなぜと5回掘り下げることで本当の問題を見つけることができる。

しかしそれだけでは複雑に絡み合った問題を解きほぐすことができない場合がある。「タテの質問」でほぼ解決策が見える原因が見つかったら「ヨコの質問」をすることが肝要である。
「ヨコの質問」は問題の全体像を把握することが目的である。問題の何を解決すれば満足できるのか、その原因が解決できると、この問題はすべて解決できますか?と問うことで視野が拡大され漏れがなくなる。

タテの質問5回、ヨコの質問に転じてその原因が解決できるとこの問題はすべて解決できますか?である。是非試していただきたい。

多くの中小企業では問題が発生すると原因を人に求める。

特に中小企業の経営者にその傾向が強い。人に原因を求めていけば、当人に責任を取らせるなり懲罰を加えればおしまいとなる。

ところが実際は原因の多くが環境にあり、その原因の根本に設備や労力追加などの対策を意図的に怠る経営者が存在する。犯人捜しを行う理由は真犯人を隠蔽することにあると言えなくもない。

問題の真因を追求する手法や仕組みはあまたある。タテヨコ質問に限らず、是正といえば真因を探しその原因を除去し再発しないことを確認することである。

真因を追求しすぎて経営者を除去するようなことでは本末転倒の笑い話になるが、再発させないための本当の原因は深くて大きなところに存することがよくあると言わねばならない。

タテヨコ質問は効果があるが使い方を誤らないことが必要である。

工場管理者の聞き力を高めよ。

《製造》工場管理者の聞き力を高めよ。


中小企業ではオーナーや工場長の発言力が強すぎて、会議の場で部下の意見が出ないことがよくある。聞かなければ発言しないし、本音を聞くと「どうせ言っても何も変わらない。煙たがられて評価が下がるだけ。」という声も聞こえる。

工場管理者が部下の意見を真摯に聞くことで、工場の定例会議等では担当リーダーが自分の意見を積極的に発言するようになってくる。

これが浸透すると意識改革という意味では非常に大きな前進である。

中小企業の製造現場を変えるにはどうしても自ら動く自律型の人間を育てなくてはならない。なぜなら工場管理者はすべてを見ることはできないから信頼できる部下に依存するほかないのである。

意見が採用されたり、上司から褒められると、部下の報告書の記載内容も前進が感じられる内容となるものなのである。

ピンチとチャンスは相対的なものである。今の状況をチャンスであると人間の意志で決めてよい。すべての壁は自分が作る。過去のやり方、知識、経験が通じないのは今までにない新しいやり方を発見するためだととらえればよい。

他人に原因を求めると問題はもともと解決しない。原因は自分にあると思ったときに解決への道は開ける。

工場管理者はこの点を肝に銘じていただきたい。

一言で言えば「聞き力を高めよ。」ということになる。

自社の強みを活用し優位性を築く戦略。

《営業》自社の強みを活用し優位性を築く戦略

中小企業は毎期、期末近くなると着地点を予測し試算表を作成する。すると多くの企業では営業利益は残るかどうかというレベルである。

 

前期は実質営業利益が赤字となっており、今期赤字となれば、本業では2年連続赤字ということである。このような事態は財務基盤の弱い中小企業では、企業の存続において重要な事態として深刻に受け止めるべきである。

理由はいろいろあろう。

為替の変動をそのまま価格に転嫁できる程、値上がそれほど簡単なものだと考えている企業があるわけでもない。

しかしながら企業の財務状況は厳しく、非経常的な営業外収益は期待できないことがはっきりしている。

多くの食品加工メーカーは川上の原材料高騰と円安圧力に押し込まれ、川下からは競争激化による値下げ圧力に圧迫されて板挟みの厳しい状況になっている。今後それはますます食品加工メーカーの経営を悪化させるというのが大方のシンクタンクの予測である。

この予測をもとに中小企業は今後どのような戦略で今後の方向性を決めていけばよいか、ここでしっかり熟慮する必要がある。

優位性のない製品では価格競争の中で利益を得ることがますますできなくなる。

特に大口の受注には利益確保が一層困難になると考えられる。

今考えるべきことは特定の領域における競争優位の確立である。

消費構造の変化、安全安心意識の高まり、シニア世帯・単身世帯の増加等の変化に対応した商品開発、販売戦略、価格戦略が必要である。

そこに他社にはない当社の独自の強みをまぶしこんで優位性のある付加価値を提供しなくてはならない。

各社とも自分たちでは気が付かない独自の強みがある。どの会社にもこれまで培ってきたノウハウと顧客ネットワークがある。自社独自の技術や熟練の社員がいる。よく見極めてみれば他社にない強みが根底にあるから今日まで営業を続けてこられたのである。

ここをあぶりだすこと、わからないようならお客様に問えばよい。どういう理由で弊社とお取引をいただいているのですかと。

これまでデメリットとしてとらえていた多品種少量対応、融通調整力、即日出荷対応などはお客様の目から見れば自社の強みに転化していることに気づくはずである。

ずば抜けた商品開発力があるわけで無し、プロモーションコストが湯水のように使えるわけで無し、潤沢な設備投資や飛びぬけて優秀な営業がいるわけで無し、とすれば、気が付かない自社の強みに気が付き、これらを活用し優位性を築く戦略以外に勝ち残りのすべはなかろうと判断できる。

営業は人間力である。

当面は粘り強い価格改定の交渉努力で赤字幅をできる限り縮小し、次期には特定領域での競争優 位を創出する戦略を構築しなくてはならない。

目標管理の在り方、部下の意識改革。

《経営》目標管理の在り方、部下の意識改革。

期首には各部門よりしっかりした目標が上がってくる。当然経営陣はこれがすべて確実に実行できればすごいことになると思われる。ところがふたを開けるとそうは問屋が卸さない。

月々の会議では未達の言い訳がオンパレードになる。責任の所在まで他部署になすりつけるのが当たり前になってしまう。どこかの知事と元知事のように非難の応酬となる。

こうなると目標管理どころではなくなる。

大事なことは、目標は作成するために非ず、実行して結果を出すためにある。

しかし多くの場合、目標を日常の業務活動に落とし込むことは容易なことではない。定型業務と変革を求める目標はコンフリクトを起こすのだ。

これを前にすすめ、目標達成にまい進するためには、意識改革と行動の変革を必要となる。ここが一番肝心なポイントである。

目標を作成したらなんとなくできたような気になり、翌日には忘れているという繰り返しを脱しないと目標にこだわる意味がない。実際翌日に目標を反芻することはない。

部門責任者ですらその程度なのだから、部下に至っては飾り物の絵に描いた餅になるのはやむを得ない。それを乗り越える手法は、部下に対し意識改革を求めるため声掛けを頻繁にすることである。

部門長がこの目標を必ずやり遂げるという熱意と情熱を繰り返し言葉で伝え、執念を持って部下を日々フォローすることが必要である。

目標レベルが高くなると本人の意識改革なくして達成はない。