《営業》売上の5原則、付加価値の構築。
いずこの中小企業でも営業活動の結果が利益を生み出すわけであるが、戦略的な利益確保計画とそれを実践する営業活動のプロセス管理ができていないと利益の回復のきざしは見えてこない。
期中に今期の営業利益を予測して、このままで行くと今期の営業利益は赤字の可能性が高くなっていることがある。原料原価の高騰や生産性の低下、粗利益率の低い仕入れ商品の販売率の増加などの要因は多岐に及ぶのが通例である。
利益回復を目指すとき、価格改定や自社製品販売強化はもちろん重要であるが、営業的には利益を確保するための戦略を再構築する必要があるのではないだろうか。
この際のポイントは他社にはないが、自社にあるものに焦点を絞ること。自社にもあるが他社にあるものでは付加価値を付けることは難しい。
大手相手の案件であれば規模が大きくなり、売上的には貢献するが利益という面ではなおのこと価格競争は完全競争に限りなく近づくことになる。
中小企業では企業規模からしてターゲットとする市場に問題がありはしないだろうか。一発逆転を狙うのは営業の本性であるが、利益の低下している局面では適切な戦略とは言えないだろう。
敢えて申し上げるなら最大の強みに焦点を絞ることが大事なように考える。
売上の5原則
1)新規顧客の獲得
2)顧客の流出防止
3)購買頻度向上
4)買上点数の増加
5)1点(1商品)当たりの価格向上
を考えつつ自社の強み、顧客ターゲット、競合商品などを考えていくこと、そして上記の5つとどう組み合わせるか、戦略と整合させそれを効果的・効率的に行う方法を考えることが必要なのではないだろうか。
今目指すべきは粘り強い推進であり特定領域における競争優位の確立である。そのピンポイントを外して営業利益の回復は不可能である。