《購買》購買業務には全体的視点と合理化の視点が必要!
◆利は元にあり
購買に関することわざに『利は元にあり』というのがある。購買こそが利益を生み出す元となるというような意味で使われることが多い。
購買の業務は原料や商品を仕入れるだけではなく、仕入れの工夫をするだけで利益が生まれることもある。
例えば社内で詰め替えていた商品をメーカーに小分重点を指定し直送に切り替えるだけで製造のコストは削減できる。
製造という部署は自分のいやっている作業しか見えない。それゆえに実直に作業はするが無駄な作業に気づくことは難しい。
しかし購買は立場上全体を見渡すことが可能である。しかし現場に足を運ばないと無駄な作業は見えてこない。製造現場が気が付かない無駄な作業が常態化していたとすれば、購買は気が付かなくてはいけない。
部署が違うからというようなセクト的発想は購買にあってはならない。
購買は会社としての最適という視点で物事を考えなくてはならない。
そうでないとうっとうしい交渉を押し付けられたように思うであろう。
◆購買業務の胆は合理化
購買は難しい交渉をまとめるのが仕事である。欲を言えば製造の現場にもう少し興味を持ち、視点を向けるとこれまでと違った角度で無駄を排除し合理化できることが見えてくる。
ある会社の年間700件超の改善提案などを見ているとそういう購買のさじ加減で改革できる合理化案件が山のように見受けられる。
購買担当者が事として見ることができるかどうかがポイントではないだろうか。
◆購買は三方よし
購買には社内的視点のほかに仕入れ先に対する姿勢も求められる。わかりやすいのは近江商人の経営理念である「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」という考えである。利は元にありと言うけれど三方よしともいう。購買はバランスが大事だということを申し添えよう。