《購買》購買の発注権限を明確にする。
購買部は調達責任を任された独立した一部門である。
原料にしても商品にしても、もちろん包装資材にしても同じであるが発注権限は購買に属する。
購買以外のものが発注する弊害は企業にとって大きなリスクに転じる恐れがある。
会社内で勝手発注がもしあるならばただちに改め購買に一元化しなくてはならない。
合意の上で工場発注になっている消耗品等はこの限りではない。
組織としてのお互いの権限と責任を理解し、逸脱行為がないようにすることが重要である。
企業としての統制が取れていると権限の分岐も明確になっているが、中小企業では兼務や人の入れ替わりが激しく、経営者の胸三寸で人事が決まるのでこの辺はあいまいになりがちである。
購買は逸脱行為に対しては毅然とした態度で臨み組織である以上例外を認めないことである。
一方購買には利権が集中しやすいので、長期政権はリスクを伴うと思うべきである。
業務というのは習熟度が重要ではあるが、あえて配置転換を行うのは癒着リスクを低減することが目的である。
金融機関や大手企業が繁く配置転換をおこなうのは、習熟度の向上による生産性よりも、癒着リスクの方が大きいと感じているからに他ならない。
いかに厳正な性格であろうと、購買も人間である。付き合いが長くなる営業とは距離が近くなる。相手の懐に入ってなんぼの営業であるから、お互いに情が生まれる。
コミュニケーションはよくなるが、切るべき時に切れなくなるなど、弊害が出てくる。
くどいようだが経営者という立場であれば、購買(調達)の長期政権は用心すべきである。