営業活動はスタートダッシュと見込み客が大事。

《営業》営業活動はスタートダッシュと見込み客が大事である。

どこの企業でも売上予算はあるだろう。

その数字を営業担当者ごとに割り振り達成管理をすることが営業管理である。

営業の管理者は各営業にどのような月別予算を立てさせれば最も予算が達成しやすいか頭をひねるところである。

 

営業というのはモチベーション維持が大事な職種なのである。

やる気があるかないかで結果が大きく左右される。製造部門のようにやる気がなくても機械が回れば製造できてしまうというものではない。

ゆえに営業は期初のスタートダッシュが大事なのである。

出足につまずきいきなり予算未達になると弱気の虫がモチベーションを下げてしまうことがある。

一度出足をくじかれるとそのうちにと思っているうちに半期が済んでいたりする。

営業管理者は予算達成をゴールととらえて行動計画を練らないと結果は出ない。

スタートダッシュをつけさせるために期首予算を低めに設定することはよくやる手段である。

これをやると下期後半に予算が乗ってくるため最終的に目測を誤る可能性がある。

また一方で、予算管理をしておきながら、予算未達でも作対をクリアすればまあよしとする空気がある。

こういう空気がある企業は予算は絵に描いた餅と言うべきである。

営業をしていると今月の予算が出来るかどうかは数ヶ月前に決まっているようなケースがある。

と言うのは売上と言うものは普通にやっていれば間違いなく減少していく。新規開拓に取り組んで減少分を補いつつ更に伸ばさないと売上はできない。

そのためには見込み客の取り込みが重要になる。

ターゲットリストではない。それより一歩進んだ取引の可能性が見えている新規の得意先である。

三ヵ月後または半年後、場合によっては一年後に新規開拓の結果が花開く得意先を見込み客と言う。

この見込み客が今どれくらい有るかで先の予算達成が決まってくる。

今月の数字にはならないかもしれないが見込み客に種まきが出来るかどうかが営業では重要になる。

挙がってくる数字だけではなくこの見込み客を取り込む営業プロセスを管理することが長期的な成果につながる。

営業指導においてモチベーション管理が大事であることは述べた通りであるが、スタートダッシュと見込み客の取り込みこそが成果につながることをご理解いただきたい。

工場の体制立て直し。

《製造》工場の体制立て直しと議論の踏み込み。

どこの企業の工場を見ても同じことであるが、うわべはすごく順調で何の問題もないように見える。

しかし一人一人にじっくりとヒヤリングを行うと実態がおぼろげながら見えてくる。

幹部が集う会議に出席すれば尚のこと真の実態が明らかになる。いくらきれいごとを言っていても、順調に見える工場にもそれぞれにレベルに合わせて問題山積なのである。

どこの企業の工場にも年間のうち必ず繁忙期がある。

繁忙期はキャパ以上の仕事をこなさないと通年での生産性向上は期待できない。

とくに多くのケースでは年末繁忙期対策という特別体制を必要とする時期がある。

この調整を失敗すると欠品につなったり、事故発生の要因につながるのである。

会議では工場体制の立て直しと年末繁忙期対策などという議題が躍っている。

ところが、多くの場合経営者の意思が強すぎると、議題に踏み込むことなく、なんら有効な結論を出さないままに次月まで持ち越している。

肝心の議論を持ち出すことで会議が紛糾したり経営者に口撃されるのを恐れるのである。こういう妙な会議は日本全国至る所で開催されている。

議題の本質を棚上げし、幹部が保身に走るがゆえに会議が経営者の独演会になり、死に体となるのである。

ところが各工場内で開催される定例会議では主任クラスの発言が相次ぐ。

彼らには現場の事情がつぶさに分かるから、年末体制の懸念や問題点を訴えるのである。しかし、工場管理者は本社での会議ではその内容を封印してしまうのだ。

これでは工場管理が機能していないと言わざるを得ない。

しかし現場は火の車、課題山積の実態は、クレーム処理、欠品対応、割込調整、製造応援で工場長が席にいることはない有様である。

当然、現場を改善する余裕は無く綻びを繕うだけで精一杯の自転車操業状態であると言える。残業も増加し現場が疲弊している状況が見えてくるようになる。

そこまでやっても年末在庫が確保できたとはだれも考えていないだろう。

残業は本来管理者が事前に命令するものであるが、追いつめられた工場では残業の後承認になる。

これでは工場の事情を勘案するまでもなく管理が手の内に入っていないことを感じる。

工場管理の責任者の仕事とはなにか、ここは明確に申し上げなくてはならない。

何が問題であり何が足りないのか、どうすれば工場管理を正常化でき年末繁忙期を乗り切れるのかを踏み込んで話し合わなくてはならない。

当然これは工場だけの問題としてとらえるのではなく全社の問題として全体最適の視点で取り組まなくては越えられない山であると思う。

経営者や他部門との間に摩擦が生じようとも、真剣な議論が必要である。