工場の5Sを停滞させるな。

《製造》工場の5Sを停滞させるな。

ある工場の残業が指導により減少していることは好ましいことであるが、幹部の報告書の中身は解決策と期限を示せておらず中途半端な反省の弁が目立つように思うことがある。

結果として残業は削減できたが、計画的な結果ではないと言うことだ。

こういう工場の場合何かにつけてアンバランスである。コンサルタントとしてはとくに工場の5S活動を停滞させてはならないという指導をする。その結果。水準が低い工場が5S活動発表会での1位になることがある。ところが評価内容が一位だったわけではなく伸び率が1位であったということもある。

その工場はどう見ても基礎的な5Sの水準はまだまだ低いと言わねばならない。

工場における5S活動は、5Sリーダーに任せておくだけでは成長しない。

部門の責任者たる工場長がリーダーシップを発揮して5Sリーダーを強力にサポートしなければ成果は期待できない。

従って工場長の意識する水準以上の5S活動は生まれない。

工場長自らが問題意識を持ち他部門や他社の事例を取り込みながら何が足りていないのかを考え指導実践することが重要である。

再度5S活動発表会で優勝ることを目指すような意気込みを指導し期待することになる。

システムが使えない製造管理者.

《製造》システムが使えない製造管理者は失格である。

関与先の工場の報告書は以前と異なり目に見える成果が具体的に記載されている。

各所で改善が進み生産性の向上やリスクの低減に期待が持てる内容である。一方で機械のメンテナンスや取り扱いの誤りにより故障やクレームを発生させている。

製造において何らかの変更を行う場合は、目に見えないリスクが潜んでいることがある。また検証が不十分であると思いがけないクレームにつながることがある。

その会社の経営方針は顧客第一・品質第一である。全く素晴らしい経営方針であるが、社員に浸透していないとコンプライアンスもモラルも定着しない。

人の理解度を見ずして短兵急な合理化や改善を進めることは、慎重でなければならない。また改善を進める中で製造手順や工数、包装資材の変更に関係する情報は逐一システム側に連絡すべきところであるが、これができない製造管理者が多い。

企業規模が中途半端であると製造現場の理屈がシステム管理を凌駕してしまうことがある。ここは現場に張り付いて、システムを軽視するような行動や記録は徹底的につぶさなくてはならない。安易な妥協は致命傷となる事を肝に銘じるべきである。

中小企業の製造現場というものは合理化とシステム化という相反する目的を同時にすすめなくてはならない。そういう場合最も障害となるのは古参社員と製造管理者である。しかし製造管理者はある一面では工場の改善に一生懸命取り組んでいる。しかしうわべだけの取り組みになり本質的解決に至らない。

システムのデータを活用できないアナログ管理者ほど扱いにくい。どうしようもない場合退場を含めて対応を検討する場合もありうるのである。

「御用聞型営業」と「目的思考型営業」

《営業》営業には「御用聞型営業」と「目的思考型営業」がいる。

営業にはいろんなタイプがある。属人営業組織営業などといわれることもあるが、基本的な分け方は「御用聞型営業」と「目的思考型営業」に分けることができる。

御用聞型の営業はお客様から言われたことだけをやるが「目的思考型営業」は一歩踏み込んでどのような目的で導入するのか疑問を心中で持ち、考え、そして一言聞く勇気を持っているという違いがある。

しかしその一歩踏み込む違いが大きな差になるのが営業の世界なのである。

お客様の追加ニーズを引き出しそれに関連した提案を行うことでお客様の課題に応えるともに、売上も上がるというWin Winの提案が出来る。

目的を考えて聞く「目的思考型営業」のメリットを整理すると以下のようになる。

その1)お客様の真のニーズに合ったよりよい提案が出来る。
その2)言われた商品だけでなく、その他の必要なものも提案出来る。
その3)提案された製品がなくても代替案を提案出来る
その4)目的を考え続けることでお客様も気付かなかった潜在ニーズに気付いて頂ける。
その5)このようなスタイルの営業を続けていることによりお客様の満足度が上がる。

営業は目的思考型社員の育成を図らないといけない。そうすることで社内的にミス・ロスが低減し組織の生産性が上がる。そして社外的にはお客様との信頼関係が高まりお客様の「真のニーズ」を掴むことにより、本当に役立つ提案が出来るようになる。

縮小するマーケットではお客様の要望に応えるだけでは営業生産性は落ちていくだけである。「真のニーズ」を掴める「目的思考型社員」を育成し生産性を高めていかなければこの厳しい経営環境を乗り切れない。この差はそのままできる社員とそうでない社員に分かれる。

御用聞型の営業の特色は、お客様から言われるままに会社報告しお客様と社内スタッフとの間で右往左往し信用を失っていく。自分で内容を吟味し相手を選んで話をするということができない。

しかるに目的思考型の営業はお客様のニーズを把握し、付加価値を付けた強気の営業ができるようになる。当然、利益がついてくるものなのである。営業は振り回されてはいけない、振り回さなくは役目を果たしているとは言えないのである。

営業の育成は、この辺のツボを押さえた指導が必要である。営業管理者の社員育成に期待するところである。営業は一人一人個性があり決して一律で指導できないと知るべきである。