《経営》食品の事故リスクは甚大になった。
食品事故が過大化というか肥大化の一途である。
些細な異物混入でも社告を掲載し回収を行うケースが増加している。
かつては菓子折りとお詫びで済んでいたことが、食品事故としてマスコミに取り上げられると、ほとんど危害発生のリスクがなくても回収から謝罪広告、信用失墜につながる。特にメーカーにおける食品事故リスクは極めて重大である。
メーカーの製造ラインではわずかの原料が大量の製品に拡大し市場に投入される。被害想定範囲は拡大し、回収事故ともなればリコール費用、社告費用等々会社の根幹を揺るがしかねない怖さがある。
保健所からの回収命令も出ていないのに自主回収となる。
然るに多くの企業ではPL保険が軽視される傾向がある。特にリコール保険は特約として付帯するとコストが増加するので見送るケースも散見される。
PL保険がないとなると回収費用も数千万と言われる社告費用も自腹になる。さらには事故が拡大し被害が出ると巨額の賠償が予想される。PL保険未加入リスクは、事故の隠ぺいにつながるものなのである。
ある食品工場では日々のクレームを見ているといつ食品事故が起こってもおかしくない状況である。ある工場とはどこにでもある普通の食品工場のこととお考えいただきたい。それくらいどこの工場にも食品事故の芽がごろごろ転がっているように思う。
工場の製品管理状況は何が何でも事故を出さないというレベルおよび仕組みを構築しなければならない。メーカー相手の原料出荷は徹底した安全対策をとり二重三重のチェックが必要ではないか。
それと同時に回収事故に対応可能な保険でする食品工場のリスクをヘッジすべきである。多くの企業の現場実態を見ると、このままでは危なすぎると言わざるを得ないところである。