上から下への報連相の未熟さが企業を危うくする。

《経営》上から下への報連相の未熟さが企業を危うくする。

多くの企業に共通する弱点として上から下への報連相の未熟差がある。会社の方針として口が酸っぱくなるほど報連相を指示して、ようやく上司への報連相ができる程度になる。

幹部や役職者は会議などで会社の方針や重要な情報に随時触れることができるので、比較的報連相が甘くても概要を捕まえることができる。

しかし一般社員はどうだろう。所属責任者が一日会議をして頭にようやく入れてきた会社方針を朝礼で10分もしゃべれば長いほうである。

これで上から下への報連相ができているとは言えない。いや全くできていないというべきであろう。

ある会社の会社方針社長発表のグループ分科会で聞かれた声を紹介すると、上から下への報連相がないので会社が何を目指しているのか、会社が今どうなっているのか現場のもの
は実態が見えてこないとのことであった。

ここでも言われていることは

報連相で最も難しいと言われるのが上から下への報連相

ということである。

くどいようだが繰り返すと、考えてみれば一日中会議をしたその内容を要点を伝えるだけにしても朝礼で5分ではいかんせん無理がある。

かといって時間を取ってしっかりミーティングをしていたのでは製造が間に合わなくなるだろう。

グループ分科会での集約的な意見として幹部会議の議事録を公開してみたらどうかというものがあった。

別に非公開というルールがあるわけではないが、内容的には公開すべきでない部分もあるので一考を要する。

例えば公開用の議事録を別途作成するということも考えられる。ただし社外秘は当然なので取扱い注意である。

 

購買業務の合理化が企業を変える。

《購買部》購買業務の合理化が企業を変える。

購買部部門目標にも購買業務の合理化に関する記述がない。ということがどこの企業にもみられる。

購買は社内の特権部署として君臨していることが多い。購買担当者も長年変わらないというケースも見かける。この結果購買業務は属人化する。

合理化すべき問題点が見えなくなる。

購買と言えども視点を変えて合理化するためにはジョブローテーションである。

購買業務は仕入開発的な不定型の業務(ソーシング)と定型発注的な業務(パーチェシング)に区分できる。

ソーシングとは、商品仕様や取引条件などの購買の条件を規定し、取引先の選択や交渉によって最も適切な条件を獲得することである。

購買に携わる部門の最も重要な業務である。

一方パーチェシングとは、ソーシングによって得られた規準に沿って実行される日常の購買実務であり、購買全体が基準に沿って実行されるための地道な業務である。

この二つの業務区分があまり意識されていないために発生する混乱が非常に多い。

購買の改善に取り組むためには、この業務毎の違いを理解することが大切である。

すなわち定型的な発注業務はルールと仕組みありきでありいくらでも合理化が可能である。

無駄な作業がないか、重複する作業はないか、本当にその作業は人が行う必要があるのかを検証いただきたい。その結果システム的に対応すべきは改革いただきたい。

富の増殖機能は付加価値の増殖機能。

《営業部》富の増殖機能は付加価値の増殖機能。

古い話であるが、20年以上前に書かれた著書でドラッガーは以下のように述べている。

「利益の最大化のみを目的化する企業は、短期的視点からのみマネジメントされるようになる。その結果、企業がもつ富の増殖機能は破壊されないまでも、大きく傷つく。結局は業績が悪化していく。しかもかなり速く悪化していく。」

ここでいう企業の「富の増殖機能」とは、「顧客にとっての真の価値は何かを探求し、製品やサービスに転換する力」「従業員の能力を最大限に引き出し、独創性のある製品・サービスを生む力」「顧客の高い満足感、信頼感、共感」などである。

本来、これらをとことん追求し、磨いた「結果」として、持続的な利益が生まれてくるは
ずである。

一方で、利益を第一義に管理をしてしまうと本当に独創的な価値を創出するために必要な手間ひま、社内での対話、顧客との対話、人材の育成といった必要な時間や投資まで削っ
てしまいやすくなる。

営業的には、強引な押し込み営業や値引き合戦も起こり結果的には顧客からの信頼残高を低下させるリスクがある。

結果、毎年利益をなんとか捻出していても、大きな発展ができない。新しい事業を創造する社風が育まれない。

「利益を上げることを目的としても、確かな利益はなかなか生まれない。」

ということに気づく必要がある。

仮に売り上げや 利益が上がったとしても、結果として顧客や社会からの評判は上がっていなかったり、人が離脱してしまったり。長期的に富を創出する価値が蓄積されない。

「我が社にしかできなくて、顧客にとってすごく価値の高いことは何なのか?」

という問いへ、会社全体で変えていくことで、「確かな利益」が生まれるのである。

いずれの会社にもまだまだ利益を生み出せる価値が眠っている。営業の粗利管理は重要であるが利益を生み出す付加価値の創出はそれ以上に今後の重要な ポイントとなるであろう。

営業のクロージングテクニック.

《営業》営業のクロージングテクニックの一つに期限を切るということがある。

商品の説明を行い、見積もりを提示するとお客様はよく「検討しておきます。」という言葉が返ってくる。

「よろしくお願いします。」と言って帰ってしまうとそのまま流れることが往々にしてある。

クロージングのコツはできるだけ期限を切ることにあると言える。

期限を切るとお客様は機嫌を悪くして断りにつながるように思うが実際は検討時間の長さは営業活動にとってマイナス要因になると考えたほうがよい。

「一週間以内にお返事をいただきたいのですが。」と期限を切り「一週間後に確認のお電話を入れさせていただきます。」と言うことにより決断を促すとになる。

「それならいらない。」というお客様はたいていのケースにおいて期限を切らなくても購入される可能性が低いと見るべきである。

勇気はいるがあと一押しのクロージングがお客様を落とすことにつながり、見込みの低いお客様を見極めて営業効率を上げることにもつながる。

営業は押されていては話にならない。買うほうも拍子抜けするものである。

営業の売上と粗利は営業管理の両輪である。

《営業》営業の売上と粗利は営業管理の両輪である。

各社とも来期の予算が組みあがったと聞く。達成可能な実態に見合った数字であろうか。絵に描いた餅ではあるまいか。今後それぞれに詳細を詰めていくことになると思うが、営業の経験上いくつかのポイントを指摘させていただく。

まず売上と粗利の予算を営業管理の両輪として管理することである。

多くの会社で見てくるところ、これまで粗利は結果分析、後手の価格改定であった。したがって日常的な粗利管理が根付いておらず、営業が責任を感じることなく赤字アイテムが多数発生することとなった。

粗利で注意することは赤字アイテムもさることながら額が大きい低粗利物件である。

システム情報で昇順に並べると赤字ばかりが目立って売上の大きいてい粗利物件が隠れてしまう。見逃しがちな点であるがこれが全体の粗利を大きく引き下げる要因である。

今一つのポイントは

予算を実際の得意先にどの製品をいつまでに売り込むかを具体的に落とし込むことである。

実際 にその通りに行くわけがないのは生産計画と同じである。しかし販売計画を具体化することで訪問計画が具体化するという流れがある。

思い付きや得先に呼ばれてから訪問するのではなく、基本的なベースに訪問計画をもつことがABC分析でいうところの利益をもたらしてくれるBC顧客の定期的フォローにつながる。

粗利管理と予算の具体的落とし込みは、来期の予算達成のために必要な要件であると考えるべきである。

中小企業はNBとPBの区別ができない。

《情報システム》中小企業はNB製品とPB製品の線引きがあいまいで責任関係が見えない。

中小企業の製造業おいてはNB製品とPB製品の区別を明確にする必要がある。この区分が曖昧であるために発注責任、在庫・包装資材の管理責任が下請け企業に押し付けられ不公平な取引を強いて来た。

全国にうどん屋を展開する今や大手メーカーですら発注責任が明確であるにもかかわらず責任を取ろうとしない。下請法などどこ吹く風というのが現実の取引である。

システムにおいてもNB製品の特殊仕様があれば余計な原価が発生し、担当者の記憶任せというリスクが発生する。システム管理の原則として商品コードとそれに付随する規格は常にユニークでなければならない。大原則として自社製品で商品コードが一つあれば仕様は一つである。

それ以外の個別の仕様があれば顧客依頼のPB製品として区別して別の商品コードで管理するべきである。またPB製品であれば顧客指定の仕様であり品名であるので必要コストをオンした個別の品名であるべきである。

むろん固有記号も設定し製品も包装資材も顧客責任である。製造する側としては定期的な在庫報告義務は当然発生する。
よって特殊仕様がある場合はすべてPB製品として別途商品コードを設けて管理するということを徹底すべきである。開発においても顧客依頼のマッチングや商品開発はPB製品開発として扱うべきでありターゲット設定や要求事項は顧客の指定事項である。

NB製品の開発ではこれらの要求事項を営業または開発責任者が指定しなければならない。製品設計開発依頼書に記入する項目は大きく異なるので別途の書式が必要である。ここの理解を深めていただき未登録となっているPBを一掃しなければ個人の記憶やメモに依存した製造仕様となり組織硬直につながる。中小企業の融通性が首を絞める典型例と言えるであろう。

中小企業は製品すべてを見直し、現場に実態を把握し、すべての未登録となっているPBをシステムに新たに登録し区分管理できるよう営業も製造も協力して取り組むことが重要である。

稼働率に騙されると生産性を見失う。

《製造》稼働率に騙されると生産性を見失う。

製造部門の報告書では稼働率が記載されていることがある。これは稼働率を最大化して生産性を高めようという意図であろう。

しかしそもそも稼働率とは何であろうか、稼働率アップを目的にしてよいのであろうか。

稼働率とは単純に定式化するならば、設備リソースの実稼働時間を、利用可能な時間総数で割って求められる比率である。

 

稼働率で管理するとは、稼働率がいかに100%という限界に近づいているかで、工場のパフォーマンスを計る考え方である。

確かに機械設備の特性上、フル稼働に近ければ近いほどロスや不良率が下がり、生産効率が良くなるはずである。

しかしよく考えてみてほしい。もし同じ製品100個を2人の作業者が担当して、一人は1時間で首尾良く作り、他方は2時間かけて不手際に作った場合とで比べると、後者の方がその設備の稼働率が高くなるのだ。

しかし、誰がどう見ても、前者の方が優れている。かりに残りの1時間は遊んでいたとしても、である。

さらに、稼働率計算にはワナがある。見込み生産で動いている業種では工場がフル稼働して見かけ上は景気良く動いていても、実は製品在庫がどこか遠くの見えない倉庫に積み上がっていくだけという可能性がある。

会社全体では生産を売上につなげて初めて利潤が生じるのだから稼働率による管理は工場だけの局所最適化になる恐れが高い。

稼働率は受注量の従属的な判断数値であり生産性を管理するには工数管理が適している。

多く中小企業製造業としての問題を指摘すれば、大量・見込み生産の体制を残したまま、多品種少量の受注生産に移行しようとしていることにあると言えるだろう。

需要が収縮している時期では間違った評価尺度で生産組織を管理してはいけない。

稼働率管理にはそういう落とし穴もあるということを踏まえて報告書に記載する数値は実績工数管理の結果を報告するようにお願いしたい。

実績工数管理は製造部門の重要業績評価指標(KPI)であり手の内に入れていただきたい。

価格競争は安売り貧乏の始まり。

《営業》価格競争は安売り貧乏の始まり、知恵なき営業の行く末。

ソフトバンクの孫社長が言うように粗利以上に経費を使わなければ必ず利益が出ることは自明の理であるが、逆に言うと経費以上の粗利が得られなければ赤字になるということである。

ビジネスにおいて粗利が重要なのは、「粗利をどれだけ稼げるかということがビジネスそのものの能力を表すから」と言える。

しかし売上と粗利はトレードオフの関係にあり一般的な商品を差別化することをせずに大きな売上を得ようとすると粗利率はどんどん下がっていく。

値上げをしてより多くを売る方法とは、商品を差別化するという一点にある。

その違いを丁寧にお客様に伝えることが営業の仕事である。考えるポイントは下記に要約される。

・適正価格で販売するために、商品をどう差別化すれば良いのか?

・より多くを売るために、どのように販売戦略を組み立てるべきか?

価格提示には二つの機能がある

(1)買う側に価値を提示する。

(2)売る側に利益をもたらす 。

物の価格は需要と供給のバランスで決まる。大事なことは「商品やサービスを安く売りすぎるな」という事である。

価格設定に問題があり価格を安く設定し過ぎていると、悲しいかな売っても売っても儲からなことになる。世に言う「バタバタ貧乏」の状況を自らの手で作ってしまっていることになる。

安売りのデメリットも知っておかないと痛い目に遭う。

(1)利益が少なくなる。

(2)お客様の質が下がる。

(3)商品価値が下がる。

自社が価格を下げると同業他社も追随してくる。価格による差別化は差別化に非ず、なぜなら簡単だからである。

結局は価格競争に巻き込まれて自分の首がしまっていく。 安さでなびくタイプのお客様は、簡単に他社に浮気をする。

これはリピート客になりにくいという事を意味する。また商品価値が下がり価値が低い商品であるかのようにお客様の目には映る。

商品を高く売るには、機能、品質、付属サービス、イメージなどに個性を持たせて他社商品と差別化する必要があるが、その前に重要な事がある。

それは「良い商品なのだから高く売ろう」という想い(自信)である。売る側が商品やサービスの価値を正しく自己評価する事が最も大切なのことである。

知恵なき営業には安売り貧乏への道しかない。

中小企業は情報を私物化している。

《情報システム》中小企業は情報を私物化している。ファイルサーバの活用法。

ファイルサーバによる共有フォルダ管理により共有情報の集約化、個人別情報の減量化をすすめペーパレス・フリーデスク化を目指して構造と意識変革を進めていく必要がある。

企業の情報管理を突き詰めれば行きつく先は同じである。

フリーデスク化はフリーアドレスとも呼ばれ情報管理の進んだ大手企業などで導入されている仕組みである。

オフィスに固定席を設けないことで社員間のコミュニケーションを活性化したり、コスト削減につなげたりするのが目的である。

実際は完全ペーパーレス化によって執務スペースが縮小できたり、コスト削減が進んだりする効果もある。

 

心配しないでいただきたいが中小企業が今すぐフリーデスクにせよと申し上げているのではない。

共通文書管理を目指すならば、もう少し共有フォルダの管理レベルを上げていただきたいということをおすすめする。

共有フォルダを機能的に管理するにはルールと管理者が必要でありフォルダの管理台帳が必要になる。共有の資料室であり図書館と同じように考えればよくわかるであろう。

企業内文書は個人に属するものは概ね少ないと申し上げてよいと思う。中小企業では共通すべき情報や共有文書を我知らず私物化しているのである。ここに非効率の要因がある。

多くの中小企業のファイルサーバの中の共有フォルダはさながら迷路のようであり勝手放題の無法地帯のようである。

必要なドキュメントにたどり着くには多大の手間を要するのが実情である。

図書館の様に管理する人がいてきちんとした案内図があり勝手に移動したり落書き出来ないように管理すべきであり、不要なデータを削除したりバックアップしたりを定期的(せめて月1回)に行うなど保守管理を徹底することが必要である。

中小企業はファイル管理の仕組みを構築し順次案内をかけていくことが必要ではないだろうか。

理解されるのには時間がかかるが、正しく運用させるにはさらに多くの時間がかかることは言うに及ばない。中小企業の情報システムはまだまだ不合理の集積なのである。

メール管理に関する注意事項

《情報システム》メール管理に関する注意事項


参考:ネチケット・ガイドライン
PHP人材開発、平野友明(日本ビジネスメール協会代表理事)

ビジネスメールの書式とマナー/メールの基本操作

[メールマナー]

・関係者から受信したメールにはまず返信する。(受信した旨を伝える)
・メール本文は30文字以内に抑えコンパクトにまとめる。
・適度に行間を空ける。(話の変わり目)開けすぎない。詰めすぎない。
・サブジェクト(タイトル)は必ず付ける。(空メールは失礼)
・1メール1要件を守る。
・箇条書き、記号、罫線等で見やすくする。
・メールの最後には自分のシグネ(署名)を付ける。
・相手に配慮した文言を使用する。(ありがとうございます。お忙しいとは思いますがetc.)
・文面の最初に自分を名乗る。
・送信前に読み直す、送信アドレスの再確認をする。
・アドレス帳では相手のアドレスに付す名前に様を付ける。
・送信者の許可なく第三者にメールを転送しない。
・返信は基本的に送信者のみに返信する。
・半角カタカナ「カタカナ」、機種依存文字「①㈱」等は使用しない。
・開封確認メッセージ機能は使わない。

[ネットワークセキュリティー]

・安全性が確認できないメールの添付ファイルをクリックしない。(即削除、ゴミ箱からも削除)
・HTML形式、リッチテキスト形式の設定をテキスト形式に。(情報セキュリティーポリシーに規定)
・知らないメール(迷惑メール)に返信しない。
・社外秘等の重要文書を添付するときはパスワードを設定し別メールでパスワードを送る。
・基幹文書、機密文書は漏えいの危険があるのでメール送信は避ける。もしくは暗号化する。

[情報管理]

・メールは決して確実な通信手段ではないことを理解し、届いていないことも想定する。
・同報メールやメーリングリストに添付ファイルをつけない。
・巨大な添付ファイル(メガクラス)の添付ファイルはデータ便や共有フォルダを使用する。
・どうしても巨大な添付ファイルメールで送る場合は相手先に事前に連絡する。
・CCメールは情報漏えいにつながるので不特定多数に送らないよう注意する。
・メールサーバは有限、転送先の個人サーバはさらに制限がある。引用は最小限にする。

追記(2020/5/10):メールマナーは様変わりしています。outlookのデフォルトで全文引用が習慣化し、過去の何人分ものメールが連なり責任所在が不明確になるパターンが定着しました。また、何でもかんでもCCメールにするため、想定外の転送をされて窮することもあります。HTMLメールのリスクは問題になる可能性が低くなりましたが、相手の環境を無視してHTMLメールで赤字指定するような間の抜けたメールも散見されます。メールは本来私信でありパーソナルなものだと思っていると痛い目に合うことがありますから用心が必要になりました。