中小企業はルールに疎い。

《営業》中小企業はルールに疎い。

中小企業というものはルールや決め事をしても継続して順守することが出来ない。

しばらくするとイレギュラーを営業が押し込み、製造がシステム管理外で無理を
聞いてしまう。

この結果、余計な原価が上乗せされ、記憶に頼る手間が発生し、事故リスクが高まるのである。

中小企業では顧客圧力に弱い製造メーカーは決められた手順を踏まずに、NB製品の仕様を顧客要望の仕様に変更し、規格書はそのまま、商品コードもそのままで出荷しようとする。

NB(自社製品)は顧客仕様に変更すれば、それはPB製品として別の商品コードで管理すべきである。これが理解できないのが中小企業の管理レベルなのである。

言ってみればNB製品の顔をした闇PBというべきである。言い方が悪いというならも未登録PBとでも名付けようか。

くどいようだが中小企業はどこもルールに疎い、NB品名をPBに転用したところに間違いがあることに気づくことすらない。

こういうことを繰り返していると、いわば庇を貸して母屋を取られた格好である。間違いが発生しない方が不思議である。この問題は中小企業の大きなリスクになる。
基本的な考え方は、NBとPBをはっきり分けて考えることを営業も徹底する必要がある。商品コードには一つの仕様、一つの原価、一つの工程がある。条件が変われば新たな商品コードを登録して区分管理する必要がある。

NB製品に個別条件を付けてはならない。

個別の条件が付けばPB製品である。この問題は中小企業に大量の闇PBを生み出し現場担当者の記憶に頼り属人的に管理されてきたため、異動があるたびにリスクが発生してきた。この事例は枚挙にいとまがないほどである。

これは製造部だけで解決できない問題でもある。どの中小企業でも闇PBをなくしていくということは会社の方針であるべきであり、営業はお客様にお願いし説得する責任がある。

営業は顧客第一を振りかざして抵抗を試みるだろう。しかしここは乗り越えなければ次のステップには上がれないと考えるべきである。

実際にこれを整備し乗り越えるのに数年を要した事例がある。

一度許容したものに対し再び縛りを入れることは、想定以上の苦労が伴うことはその事例が証明している。

製造の実態はデータで議論。

《製造》製造の正確な実態はデータで議論することが重要。

製造を管理する場合、正確な実態はデータで議論することが重要である。

システムからは蓄積されたデータとして製造現場に資料を提供する仕組みはあっても、残念ながら各工場が今のところこのデータを読み解き加工し生産性向上に役立てるだけの意欲と技術が伴っていなケースが散見される。

データを活用するときはデータに基づいた改善のための仮説をたてて現状(As-Is)将来像(To-Be)に至るまでの”実現可能 なステップ(Can-Be)”を明確にすることが肝要である。

データ分析の例を挙げると以下のごとく改善の結果が検証できるし次なる目標も設定可能になる。

中小企業の製造現場では誤った管理数値を後生大事に報告して事足れり、としている管理職を見かける。

工数を管理するとき、生産性を数値で比較するためには一日“なんぼ”できるかを聞いてはいけない。この誤りはベテラン社員にも往々にして見かける。

生産性というものは、時間管理を軸とした工数を比較して初めて生産性の比較が可能となる。注意すべきことは、昨年度の実績と比較しても生産性の分析はできない。

なぜなら昨年度の工数実績は基準となる数値より上か下かが判断できない。大事な視点は標準工数との比較のみが価値ある情報となるということである。

生産性を確認するためにはその製造に直接後付けできる直接作業時間を考えないといけない。他の製造に関与した時間は含まれない。何名で行ったかも確認しないといけない。

一人で1kgを製造するのに要した時間が工数であり、この基準以外に異なる原料と異なる製造ラインンの生産性を正確に比較することはできない。

そのことを前提にして抽出されたデータを実際の生産計画や製造指導にどのように活用するかを具体的に組み立てないとデータを役立てることはできない。

今はまだデータを眺めているだけの段階であるが、この意味と真の価値に一刻も早く
気づいていただきたい。

売上の5原則、付加価値の構築。

《営業》売上の5原則、付加価値の構築。

いずこの中小企業でも営業活動の結果が利益を生み出すわけであるが、戦略的な利益確保計画とそれを実践する営業活動のプロセス管理ができていないと利益の回復のきざしは見えてこない。

期中に今期の営業利益を予測して、このままで行くと今期の営業利益は赤字の可能性が高くなっていることがある。原料原価の高騰や生産性の低下、粗利益率の低い仕入れ商品の販売率の増加などの要因は多岐に及ぶのが通例である。

利益回復を目指すとき、価格改定や自社製品販売強化はもちろん重要であるが、営業的には利益を確保するための戦略を再構築する必要があるのではないだろうか。

この際のポイントは他社にはないが、自社にあるものに焦点を絞ること。自社にもあるが他社にあるものでは付加価値を付けることは難しい。

大手相手の案件であれば規模が大きくなり、売上的には貢献するが利益という面ではなおのこと価格競争は完全競争に限りなく近づくことになる。

中小企業では企業規模からしてターゲットとする市場に問題がありはしないだろうか。一発逆転を狙うのは営業の本性であるが、利益の低下している局面では適切な戦略とは言えないだろう。

敢えて申し上げるなら最大の強みに焦点を絞ることが大事なように考える。

売上の5原則

1)新規顧客の獲得
2)顧客の流出防止
3)購買頻度向上
4)買上点数の増加
5)1点(1商品)当たりの価格向上

を考えつつ自社の強み、顧客ターゲット、競合商品などを考えていくこと、そして上記の5つとどう組み合わせるか、戦略と整合させそれを効果的・効率的に行う方法を考えることが必要なのではないだろうか。

今目指すべきは粘り強い推進であり特定領域における競争優位の確立である。そのピンポイントを外して営業利益の回復は不可能である。

付加価値と自社の強みの視点で今なすべきことを認識しそれを行動に移すことが最も重要である。

自社の強みを活用し優位性を築く戦略。

《営業》自社の強みを活用し優位性を築く戦略

中小企業は毎期、期末近くなると着地点を予測し試算表を作成する。すると多くの企業では営業利益は残るかどうかというレベルである。

 

前期は実質営業利益が赤字となっており、今期赤字となれば、本業では2年連続赤字ということである。このような事態は財務基盤の弱い中小企業では、企業の存続において重要な事態として深刻に受け止めるべきである。

理由はいろいろあろう。

為替の変動をそのまま価格に転嫁できる程、値上がそれほど簡単なものだと考えている企業があるわけでもない。

しかしながら企業の財務状況は厳しく、非経常的な営業外収益は期待できないことがはっきりしている。

多くの食品加工メーカーは川上の原材料高騰と円安圧力に押し込まれ、川下からは競争激化による値下げ圧力に圧迫されて板挟みの厳しい状況になっている。今後それはますます食品加工メーカーの経営を悪化させるというのが大方のシンクタンクの予測である。

この予測をもとに中小企業は今後どのような戦略で今後の方向性を決めていけばよいか、ここでしっかり熟慮する必要がある。

優位性のない製品では価格競争の中で利益を得ることがますますできなくなる。

特に大口の受注には利益確保が一層困難になると考えられる。

今考えるべきことは特定の領域における競争優位の確立である。

消費構造の変化、安全安心意識の高まり、シニア世帯・単身世帯の増加等の変化に対応した商品開発、販売戦略、価格戦略が必要である。

そこに他社にはない当社の独自の強みをまぶしこんで優位性のある付加価値を提供しなくてはならない。

各社とも自分たちでは気が付かない独自の強みがある。どの会社にもこれまで培ってきたノウハウと顧客ネットワークがある。自社独自の技術や熟練の社員がいる。よく見極めてみれば他社にない強みが根底にあるから今日まで営業を続けてこられたのである。

ここをあぶりだすこと、わからないようならお客様に問えばよい。どういう理由で弊社とお取引をいただいているのですかと。

これまでデメリットとしてとらえていた多品種少量対応、融通調整力、即日出荷対応などはお客様の目から見れば自社の強みに転化していることに気づくはずである。

ずば抜けた商品開発力があるわけで無し、プロモーションコストが湯水のように使えるわけで無し、潤沢な設備投資や飛びぬけて優秀な営業がいるわけで無し、とすれば、気が付かない自社の強みに気が付き、これらを活用し優位性を築く戦略以外に勝ち残りのすべはなかろうと判断できる。

営業は人間力である。

当面は粘り強い価格改定の交渉努力で赤字幅をできる限り縮小し、次期には特定領域での競争優 位を創出する戦略を構築しなくてはならない。

富の増殖機能は付加価値の増殖機能。

《営業部》富の増殖機能は付加価値の増殖機能。

古い話であるが、20年以上前に書かれた著書でドラッガーは以下のように述べている。

「利益の最大化のみを目的化する企業は、短期的視点からのみマネジメントされるようになる。その結果、企業がもつ富の増殖機能は破壊されないまでも、大きく傷つく。結局は業績が悪化していく。しかもかなり速く悪化していく。」

ここでいう企業の「富の増殖機能」とは、「顧客にとっての真の価値は何かを探求し、製品やサービスに転換する力」「従業員の能力を最大限に引き出し、独創性のある製品・サービスを生む力」「顧客の高い満足感、信頼感、共感」などである。

本来、これらをとことん追求し、磨いた「結果」として、持続的な利益が生まれてくるは
ずである。

一方で、利益を第一義に管理をしてしまうと本当に独創的な価値を創出するために必要な手間ひま、社内での対話、顧客との対話、人材の育成といった必要な時間や投資まで削っ
てしまいやすくなる。

営業的には、強引な押し込み営業や値引き合戦も起こり結果的には顧客からの信頼残高を低下させるリスクがある。

結果、毎年利益をなんとか捻出していても、大きな発展ができない。新しい事業を創造する社風が育まれない。

「利益を上げることを目的としても、確かな利益はなかなか生まれない。」

ということに気づく必要がある。

仮に売り上げや 利益が上がったとしても、結果として顧客や社会からの評判は上がっていなかったり、人が離脱してしまったり。長期的に富を創出する価値が蓄積されない。

「我が社にしかできなくて、顧客にとってすごく価値の高いことは何なのか?」

という問いへ、会社全体で変えていくことで、「確かな利益」が生まれるのである。

いずれの会社にもまだまだ利益を生み出せる価値が眠っている。営業の粗利管理は重要であるが利益を生み出す付加価値の創出はそれ以上に今後の重要な ポイントとなるであろう。

営業のクロージングテクニック.

《営業》営業のクロージングテクニックの一つに期限を切るということがある。

商品の説明を行い、見積もりを提示するとお客様はよく「検討しておきます。」という言葉が返ってくる。

「よろしくお願いします。」と言って帰ってしまうとそのまま流れることが往々にしてある。

クロージングのコツはできるだけ期限を切ることにあると言える。

期限を切るとお客様は機嫌を悪くして断りにつながるように思うが実際は検討時間の長さは営業活動にとってマイナス要因になると考えたほうがよい。

「一週間以内にお返事をいただきたいのですが。」と期限を切り「一週間後に確認のお電話を入れさせていただきます。」と言うことにより決断を促すとになる。

「それならいらない。」というお客様はたいていのケースにおいて期限を切らなくても購入される可能性が低いと見るべきである。

勇気はいるがあと一押しのクロージングがお客様を落とすことにつながり、見込みの低いお客様を見極めて営業効率を上げることにもつながる。

営業は押されていては話にならない。買うほうも拍子抜けするものである。

営業の売上と粗利は営業管理の両輪である。

《営業》営業の売上と粗利は営業管理の両輪である。

各社とも来期の予算が組みあがったと聞く。達成可能な実態に見合った数字であろうか。絵に描いた餅ではあるまいか。今後それぞれに詳細を詰めていくことになると思うが、営業の経験上いくつかのポイントを指摘させていただく。

まず売上と粗利の予算を営業管理の両輪として管理することである。

多くの会社で見てくるところ、これまで粗利は結果分析、後手の価格改定であった。したがって日常的な粗利管理が根付いておらず、営業が責任を感じることなく赤字アイテムが多数発生することとなった。

粗利で注意することは赤字アイテムもさることながら額が大きい低粗利物件である。

システム情報で昇順に並べると赤字ばかりが目立って売上の大きいてい粗利物件が隠れてしまう。見逃しがちな点であるがこれが全体の粗利を大きく引き下げる要因である。

今一つのポイントは

予算を実際の得意先にどの製品をいつまでに売り込むかを具体的に落とし込むことである。

実際 にその通りに行くわけがないのは生産計画と同じである。しかし販売計画を具体化することで訪問計画が具体化するという流れがある。

思い付きや得先に呼ばれてから訪問するのではなく、基本的なベースに訪問計画をもつことがABC分析でいうところの利益をもたらしてくれるBC顧客の定期的フォローにつながる。

粗利管理と予算の具体的落とし込みは、来期の予算達成のために必要な要件であると考えるべきである。

価格競争は安売り貧乏の始まり。

《営業》価格競争は安売り貧乏の始まり、知恵なき営業の行く末。

ソフトバンクの孫社長が言うように粗利以上に経費を使わなければ必ず利益が出ることは自明の理であるが、逆に言うと経費以上の粗利が得られなければ赤字になるということである。

ビジネスにおいて粗利が重要なのは、「粗利をどれだけ稼げるかということがビジネスそのものの能力を表すから」と言える。

しかし売上と粗利はトレードオフの関係にあり一般的な商品を差別化することをせずに大きな売上を得ようとすると粗利率はどんどん下がっていく。

値上げをしてより多くを売る方法とは、商品を差別化するという一点にある。

その違いを丁寧にお客様に伝えることが営業の仕事である。考えるポイントは下記に要約される。

・適正価格で販売するために、商品をどう差別化すれば良いのか?

・より多くを売るために、どのように販売戦略を組み立てるべきか?

価格提示には二つの機能がある

(1)買う側に価値を提示する。

(2)売る側に利益をもたらす 。

物の価格は需要と供給のバランスで決まる。大事なことは「商品やサービスを安く売りすぎるな」という事である。

価格設定に問題があり価格を安く設定し過ぎていると、悲しいかな売っても売っても儲からなことになる。世に言う「バタバタ貧乏」の状況を自らの手で作ってしまっていることになる。

安売りのデメリットも知っておかないと痛い目に遭う。

(1)利益が少なくなる。

(2)お客様の質が下がる。

(3)商品価値が下がる。

自社が価格を下げると同業他社も追随してくる。価格による差別化は差別化に非ず、なぜなら簡単だからである。

結局は価格競争に巻き込まれて自分の首がしまっていく。 安さでなびくタイプのお客様は、簡単に他社に浮気をする。

これはリピート客になりにくいという事を意味する。また商品価値が下がり価値が低い商品であるかのようにお客様の目には映る。

商品を高く売るには、機能、品質、付属サービス、イメージなどに個性を持たせて他社商品と差別化する必要があるが、その前に重要な事がある。

それは「良い商品なのだから高く売ろう」という想い(自信)である。売る側が商品やサービスの価値を正しく自己評価する事が最も大切なのことである。

知恵なき営業には安売り貧乏への道しかない。

営業は粗利管理をすべきである。

《営業》 営業は粗利管理をすべきである。

当社はこれまで営業に粗利管理を求めてこなかった。それは総合原価計算を採用しているため製品別の売価は本社側で決定されており粗利は営業には管理できない状況であったからである。

営業は売上のみを追求すればよい仕組みである。

製品別原価計算は、これを個別原価計算総合原価計算とに分けることができる。

個別原価計算とは建設業や印刷業の様に受注単位ごとに見積原価計算をし売価設定を行う業種であるが、製品メーカーは総合原価計算を採用しており、1原価計算期間における製品のすべての原価を算定し、次にこれを製品ごとに分割してその原価を計算する方法をいう。

同種製品を反復継続的に生産する場合は、この原価計算方法により製品原価を計算する。総合原価計算の企業の場合、営業に粗利管理が根付かない傾向がある。

これが原料価格等の変動による価格改定が遅れる要因の一つとなったと考えている。

粗利管理は大まかに「事前」と「事後」の粗利統制の二つに分類出来る。「事前」の粗利統制とは、事業計画・予算と連動して事前に製品別・得意先別等に粗利予算を決めておくことである。

営業担当者の行動原理としては、契約を取れるように(売上予算達成のため)できるだけ他社に負けないような低価格の見積りを出そうとする(機会利益の喪失)。

それを防ぐために売上高だけではなく営業担当者別の粗利管理も必要である。

ただ、端的に粗利管理と言っても営業の管理者が「最低で20パーセントの粗利は取るように」と営業担当者に単純に指示すれば、営業担当者の行動原理としては売上高予算達成のために20パーセントというハードルに極めて近い粗利を設定し、その結果として本来得られたはずの粗利が失われることもよくある。

従って営業会議等ではきめ細かな製品別等の粗利の目標設定を指示をすることで「機会利益の獲得」を目指す必要がある。

一方、「事後」の粗利統制とは(製品別・得意先別等の)事前の粗利統制の結果を売上・粗利等の損益データを中心に分析し、その後の営業活動にフィードバックすることが必要である。

重要なことは、営業担当者別に粗利の分析をして達成状況を確認することである。評価基準として売上高だけではなく粗利にも重点を置き評価の両輪とすることが会社の方針である。